状況
ミドルマネジメント〜次世代リーダー層を想定受講者に、「戦略を構造で理解し、現場の判断に翻訳できる状態」を目的とした集合型研修モジュールを設計した。題材には大手IT企業のサブスクリプション移行事例を活用し、単なる成功事例紹介ではなく、「どの条件の組み合わせから、その勝ち方が選ばれたのか」を追体験できる教材として再構成した。
課題
想定受講者は、現場改善や戦術実行の経験はある一方、戦略を構造で説明できず、経営の言葉を現場判断へ翻訳できないという課題を抱えているケースが多い。戦略を「正解」や「経営層だけが扱うもの」として受け取り、自ら前提条件を疑う機会が少ないと想定されることが背景にあると考えた。一般的な戦略研修もフレームワーク理解や成功事例の解説に留まり、「なぜその戦略を選ばざるを得なかったか」まで扱えていなかった。
解決方法
「戦略を教える」のではなく、「条件から戦略が立ち上がる感覚を体験する」ことを学習設計の中心に据えた。複数部門の断片情報をあえて分散配布し、受講者が情報の欠けを抱えたまま議論せざるを得ない構造をつくった。フレームワークは直接教えず、条件カードとして抽象化して、受講者自身が条件同士のつながりを意味づける形式に変えた。ワーク後半では複数の勝ち筋候補を比較させ、「なぜそれを選ぶのか」「どこが説明し切れないのか」を経営プレゼン形式で言語化させ、安易に正解を示さず受講者自らが思考を深める設計にしている。事例の解説でも、結果論ではなく収益構造・顧客関係・組織運営・開発体制がどう整合したかを構造として再解釈した。
成果
「戦略=方針」ではなく「条件の組み合わせから選ばれる勝ち筋」という理解への変化を狙った教材体系を構築した。情報シート、条件カード、勝ち筋比較シート、経営プレゼンシート、講師進行設計まで一貫して制作。受講者が「答えを当てる」のではなく「説明責任を持って選ぶ」状態に入るよう、議論の詰まりや違和感そのものを重要情報として扱う進行設計を行った。